エサ昆虫のガットローディング基本ガイド
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エサ虫のカルシウム欠乏を補う「ガットローディング」について、概要や方法・「ダスティング」と比べたメリットを紹介します。
ガットローディングとは?

コオロギ・ローチ・ミルワームなどの昆虫類ではカルシウム比率が著しく低いため、何らかの手段でカルシウムを補うことが必須となりますが、そのアプローチの1つが「ガットローディング」です。
「ガットローディング」とはエサ虫にカルシウム・ビタミン類の比率が高いエサを食べさせ、体内に蓄積させて栄養のバランスを整えておく方法です。
カルシウム補給方法としては直接エサの体表に粉をまぶす「ダスティング」が一般的ですが、ガットローディングでは逆にエサ虫体内にカルシウムを蓄積させます。
ダスティングと比べたメリット

「ダスティング」の方が一般的なカルシウム補給方法ではありますが、場合によっては「ガットローディング」が有効です。
野生採取された個体や神経質な種は、エサ虫にまぶされた不自然な粉に警戒して、反射的に餌を吐き出してしまうケースがあります。また一度食べたとしても粉を嫌うと、それを覚えて以後は拒食気味になってしまう場合もありますね。
このような粉を嫌がる個体には「ガットローディング」が効果的です。
またテラリウム・アクアテラリウムでは、エサ虫をまいても食べるまでにダスティングした粉が落ちてしまうといった問題もありますが、ガットローディングされた虫であればある程度持つというメリットもあります。特に水場の多い環境だと濡れてすぐに粉が落ちるので、ガットローディングはかなり有効でしょう。
なお元の栄養バランスが悪いミルワームでは、ガットローディングにより栄養バランスを補うのが非常に有効とされています。
逆にダスティングしたコオロギをすぐにパクパク食べてくれる場合なら、準備に時間がかかるガットローディングを使う必要はありません。(このことからガットローディングはマイナーな手法です)
ガットローディングの方法
実際にコオロギを使ってガットローディングの方法を解説しますね。
ガットローディングで用いる製品

レパシーの「スーパーロード(SuperLoad )」が、ガットローディングで最も一般的な製品です。
カルシウムだけでなく各種ビタミンもオールマイティに配合されております。(水溶性ビタミンなど液体経由で添加するものは併用良し)
パッケージではコオロギが掲載されていますが、コオロギのほかローチ・ミルワームにも使用可能です。
なお本製品はコオロギだとモリモリ食べますが、ミネラル類が高濃度であるためコオロギの成長を阻害する可能性があります。コオロギを健康的に育成する場合はコオロギ専用フードと併用するのが望ましいでしょう。
エサ虫のエサをガットロードディング用フードに置換する

エサとして虫を与える24時間以上前から「スーパーロード」をエサ皿などに入れ、コオロギに与え続けておくだけです。(※取説では24~72時間前)
この時普段のエサは完全に撤去して、置換するのが理想的です。
「スーパーロード」はコオロギにとってやたらウマいらしく普段のエサを置いた状態でも、「スーパーロード」の方を優先して食べに来る傾向はあります。ただ元のエサのウマさによっても食い度比率は変わりますし、ガットローディングをより効率的にするためにはやはり普段のエサは撤去しておいた方が良いでしょう。

そして「スーパーロード」のエサ皿設置後、24時間経った後にコオロギを生体に与えればOKです。
コオロギはおよそ半日程度で消化し始めるため、ガットローディング後は12時間以内に与えて下さい。(一般的には12~24時間の間とされます)
なおコオロギを通販で注文した際など、コオロギが特別に飢えた状態であればバク食いするため3~6時間程度でもガットローディング効果は大きく得られるかと思います。


ダスティングと比べ虫表面に付いた粉で反射的に吐く現象がなくなるので、ガットローディングは餌付けにもある程度有用です。
活餌皿にガットローディング粉を入れる方法

後は活餌皿・タッパーに直接ガットローディング用の粉を入れておく方法です。
エサ皿に昆虫類を入れて好きな時に食べさせる給餌方式の場合、時間経過でカルシウム粉が落ちてしまいますが、ガットローディング用の粉を入れておけば粉が落ちてもカルシウム量を保ちやすいです。
特に深夜にしかエサを食べない「アカメアマガエル」などの完全夜行性ガエルには活用しやすい方法になりますね。流石に深夜にコオロギを入れるのは大変ですので・・・。
以上参考までに。
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おたま商会ではガットローディングに使用する「スーパーロード」を販売しております。是非ご覧ください。
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