餌用トビムシの概要。キープと増やし方と注意すべきポイント

餌用トビムシの概要。キープと増やし方と注意すべきポイント

エサとして使用されるトビムシ(アヤトビムシ・シロトビムシ)について、エサとしての利点や、培養方法・トビムシのエサ・与え方などを解説。

目次

餌用トビムシの概要

培養土を漁って出てきたトビムシ

「トビムシ」は森林・公園などの土壌にいる極小の虫です。

種類にもよりますが1~2mmほどなので、上陸サイズが非常に小さいヒキガエルや、小さなヤドクガエルなどの小型生体に適したエサとして使われています。

餌として使われるトビムシは大きく分けて「シロトビムシ科:Onychiuridae」のものと「アヤトビムシ科:Entomobryidae」の2タイプに分けられますが、エサとして販売・使用されているのは多くがアヤトビムシ科のトビムシです。

シロトビムシとアヤトビムシはエサとしての性能はほぼ同じなものの、シロトビムシの培養には24度未満の低温環境を必要とするため、基本的には白色のアヤトビムシが好まれています。

混同に注意

ヤフオクなどの個人取引でシロトビムシという名前で売られているトビムシは、残念なことに多くがアヤトビムシ科のものです。恐らく白色のトビムシという意味で販売されていると思うのですが、本来のシロトビムシではないので購入の際は注意して下さい。

トビムシのメリット

トビムシを食べるアイゾメヤドクガエルの子ガエル

トビムシはサイズ感のほか、培養が簡単で栄養価が比較的高いことが強みのエサです。

極小餌としてはピンヘッドのコオロギ・ショウジョウバエもありますが、トビムシは親と同じケージでそのまま勝手に増えてくれるので、特別な手間なく増やすことが出来ます。なので基本的には自家増殖して使用する人が多いです。

そして極小サイズの割には比較的太りやすい高カロリーであることもメリット。流石にピンヘッドコオロギが食べられるサイズの生き物であればそちらを与えた方が太りますが、ショウジョウバエの代替にはできるほど高カロリーです。

また白系のトビムシは視認しやすく動きも良いため、嗜好性がよいこともポイントです。ショウジョウバエやコオロギと比べると明らかにカエルの食欲を刺激します。

カルシウムをまぶさずに与えれるので、まとわりついたカルシウムパウダーにより吐き戻しがしにくいのも良いですね。

キープと培養方法

トビムシの飼育ケージ例
トビムシの培養ケース

購入してきたトビムシは上記のようなケージで培養・管理します。それぞれ解説していきますね。

シロトビムシも基本的には同じ

シロトビムシ科のトビムシも同様に増やせますが、温度が低温(15~23度)でないといけない種が多いので、この点には注意して下さい。

飼育ケージ

クリアースライダー、ラージとノーマル

トビムシは湿った地面に生息するため、湿度を保てるような気密性の高いケージを選択します。

「タッパー」「大きめのプリンカップ」などの簡素なものでよいのですが、昆虫用のものがあれば「クリアースライダー」「コバエシャッター」「菌糸ビンの空ボトル」などが虫の混入がなく通気もされるので最適です。

密封タッパーの場合はエサをやる際に通気されますが、飼育ケージが増えてくると大変なので先述した昆虫用のケージを使用するか、タッパーに通気穴をあけてタイベスト紙を貼るのが良いでしょう。

飼育用土

ハスクチップ

湿気った環境を作れるものであれば割と何でもOKで、「ヤシガラ(ベラボン・ハスクチップ・ココピート)」「赤玉土」「腐葉土」「木炭」「ピートモス」などが使われます。

ただし製品によってはダニが混入しやすいのでこの点は注意して下さい。ダニが入るとトビムシの増殖は抑制されます。

簡単に手に入るのはカブトムシや園芸用の用土ですが、使用前に【冷凍庫で数日冷凍処理】または【電子レンジor熱湯による熱消毒】を行ってダニを駆除するか、混入の少ないベラボンや生き物用ハスクチップ・木炭などをチョイスするのがオススメです。

飼育用土は水分を加えた上で使用しますが融通範囲は広く、気持ちしっとりさえしてればOK。粒が大きい用土(木炭・赤玉土など)であれば底に水が貯まる程度の過多水量でも構いません。

エサ

トビムシフードをまいている様子
専用のトビムシフード(SpringTails製)

トビムシは雑食性であり、「ドライイースト」「熱帯魚・金魚用のフレークフード」「小麦粉」「スキムミルク」「トビムシ専用フード」などが使われます。

エサの注意点として入手したトビムシによって、エサの好み・増え方が異なる点には注意が必要です。酵母を好むものか、動物タンパク質を好むものか、トビムシの種類にマッチしていないとあまり増えてくれない場合があります。

基本的にはトビムシ専用フードを購入して与えた方が理想的。例えば「SpringTails」のトビムシ専用フードは、複数種類のトビムシがよく増殖するためエサ選びに時間をかけたくない方には特にオススメです。

SpringTailsのトビムシフード

エサの与え方

少量だけまいたトビムシのエサ
はじめの頃は数も少ないと思いますので、ごく少量だけをまきます。

エサはカビない程度の量を毎日~数日に1回与えるのが基本です。

カビは数日で生えますので、数日以内に食べきる量がベスト。もしエサがカビてしまった場合は1回の量が多すぎなので、次回から量を減らして下さい。

カビない範囲内であれば、エサは多い方が増殖スピードが早いです。

トビムシの与え方

板についた大量のトビムシ
板の裏に隠れるので、竹炭などを置いておくと良い

「炊飯用の竹炭」など平たい板状のものを設置しておき、その裏側に集まったものをトントンと落として給餌するのが楽でオススメです。

ハスクチップなどの大きめの用土で培養している場合は、ふるいを使用するのもメジャーな分離方法です。

ふるいとハスクチップ
粒が大きいとフルイが使える

トビムシはカルシウムパウダーをまぶさずにそのまま給餌します。

コオロギやジャイアントミールワームではカルシウムが著しく欠如しているため、カルシウムパウダーをまぶすのが必須ですが、トビムシはバランスが良いようで少なくとも子ガエルに与える期間(数ヶ月~半年程度)であれば、くる病などのカルシウム欠乏症状は確認できていません。

気をつけるべきポイント

ダニが混入するとトビムシは減る

トビムシはダニが大敵。混入は絶対ダメ

トビムシの管理で最も注意することはダニの混入です。

トビムシのケージにコナダニなどのダニ類が混入してしまうと、エサが同じなのでダニも増えます。しかしダニがケージ内で多くなると、トビムシの卵を食べるのか段々とトビムシの数が減ってしまうので注意が必要です。

よってダニが混入しないようにしっかりフタをしたり、保管場所には気を払う必要があります。床に直置きするのも好ましくないでしょう。

一度ダニが混入してしまったケージはリセットしてしまうか、ケージをダニのいない場所に隔離して数カ月間エサ抜きをし、ダニを餓死させて下さい。

(ただし飼育用土によっては用土そのものがエサになるのでリセットを余儀なくされます)

サイズの割に増えるサイクルが遅い

もう1つ培養で注意しないといけないポイントとして、思ったより増殖スピードが遅めなことです。

産まれたばかりのトビムシが親になり、卵を産み始めるのには1ヶ月ほども必要です。つまり増やそうと頑張っても飼育していても2ヶ月は様子を見ないとさほど増えません。

その間親をエサとして使ってしまうと結果的に全然増えないことになるので注意しましょう。

トビムシを自家培養にて安定的に使用したい場合は、数ヶ月前から仕込んでいきその間エサとして使用するのは控えるのがポイント。増えてくればケージを分割して、増やすケージとエサとして使うケージを分けるのが理想的です。

大量に湧いたトビムシ
どのような用土でも爆増させることは可能だが、少なくとも数ヶ月ぐらいは向き合うこと。

エサ用トビムシの入手方法は?

トビムシのプリンカップ

エサ用トビムシはヤドクガエルに強いエキゾチックペットショップで入手するのが一般的です。

公園や森林の落ち葉や土をひっくり返して自然採集するという方法もあるのですが、採れるのは茶色〜黒系のトビムシが中心で、サイズもかなり小さくカエルのエサとして使用するには適さないものがほとんど。エサとして適したトビムシを探し当てるには相当時間がかかります

さて当商会では、サイズが大きめで白色で嗜好性が高く、かつ高温(27度前後)でも培養できるタイプを厳選して維持しており、ラニトメヤ属などの超小型ガエルの上陸直後~大型のアイゾメヤドクガエルのケアに用いております。

販売も行っておりますので、エサ用に適したトビムシをお探しの際は是非ご検討下さいませ。

エサとして適した大きめのトビムシ
大きめのタイプで、小型ヤドク~大型ヤドクまで使える万能サイズです。(親で2mmほど)
トビムシの入ったプリンカップ
このような形で小さなプリンカップにお詰め致します。

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