餌用トビムシの概要。キープと増やし方と注意すべきポイント
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エサとして使用されるトビムシ(アヤトビムシ・シロトビムシ)について、エサとしての利点や、培養方法・トビムシのエサ・与え方などを解説。
餌用トビムシの概要

「トビムシ」は森林・公園などの土壌にいる極小の虫です。
種類にもよりますが0.5~2mmほどなので、上陸サイズが非常に小さいヒキガエルや、小さなヤドクガエルなどの小型生体に適したエサとして使われています。
トビムシは非常に多様な種類がおりますが、餌として使われるのは白い種かつ大きいタイプを採取・培養したものです。

混同に注意
一般的感覚では白いトビムシを雑に「シロトビムシ」と呼ぶ文化がありますが、シロトビムシは本来シロトビムシ科(Onychiuridae)のトビムシを指します
シロトビムシ科トビムシは収斂進化かと思われる別分類のトビムシと非常に良く似て同定が難しく、分かっている人ほどシロトビムシの名称は避ける傾向がありますね。
トビムシのメリット

トビムシはサイズ感のほか、培養が簡単で栄養価が比較的高いことが強みのエサです。
極小餌としてはピンヘッドのコオロギ・ショウジョウバエもありますが、トビムシは親と同じケージでそのまま勝手に増えてくれるので、特別な手間なく増やすことが出来ます。なので基本的には自家増殖して使用する人が多いです。
そして極小サイズの割には比較的太りやすい高カロリーであることもメリット。流石にピンヘッドコオロギが食べられるサイズの生き物であればそちらを与えた方が太りますが、ショウジョウバエの代替にはできるほど高カロリーです。
また白系のトビムシは視認しやすく動きも良いため、嗜好性もよいこともポイントです。
さらにショウジョウバエのようにカエルの体に纏わりつかないため、過剰給餌時のリスクも比較的少なめといったメリットもあり、極小のカエルにとってはかなり使い勝手が良いエサとなっています。
キープと培養方法


購入してきたトビムシは上記のようなケージで培養・管理します。それぞれ解説していきますね。
飼育ケージ

トビムシは湿った地面に生息するため、湿度を保てるような気密性の高いケージを選択します。
「タッパー」「大きめのプリンカップ」などの簡素なものでよいのですが、昆虫用のものがあれば「クリアースライダー」「コバエシャッター」「菌糸ビンの空ボトル」などが虫の混入がなく通気もされるので最適です。
密封タッパーの場合はエサをやる際に通気されますが、飼育ケージが増えてくると大変なので先述した昆虫用のケージを使用するか、タッパーに通気穴をあけてタイベスト紙を貼るのが良いでしょう。
飼育用土

湿気った環境を作れるものであれば割と何でもOKで、「ヤシガラ(ベラボン・ハスクチップ・ココピート)」「赤玉土」「腐葉土」「木炭」「ピートモス」などが使われます。
ただし製品によってはダニが混入しやすいのでこの点は注意して下さい。ダニが入るとトビムシの増殖は抑制されます。
簡単に手に入るのはカブトムシや園芸用の用土ですが、使用前に【冷凍庫で数日冷凍処理】または【電子レンジor熱湯による熱消毒】を行ってダニを駆除するか、混入の少ないベラボンや生き物用ハスクチップ・木炭などをチョイスするのがオススメです。
飼育用土は水分を加えた上で使用しますが融通範囲は広く、気持ちしっとりさえしてればOK。粒がある用土(小粒の木炭・赤玉土など)であれば底に水が貯まる程度の過多水量でも構いません。
飼育温度
餌用トビムシの種類によって適応する温度帯が異なります。以下が目安です。
- アヤトビムシ系:20~28度
- 非アヤトビムシ系:14~23度
特に非アヤトビムシ系の餌用トビムシは24℃未満の低温が必要な傾向があり、この点には注意が必要です。
エサ

トビムシは雑食性であり「トビムシ専用フード」の他、「ドライイースト」「オートミール」「熱帯魚・金魚用のフレークフード」「スキムミルク」などが使われます。
エサの注意点として入手したトビムシによって、エサの好み・増え方が異なる点には注意が必要です。酵母を好むものか、動物タンパク質を好むものか、トビムシの種類にマッチしていないとあまり増えてくれない場合がありますね。
基本的にはトビムシ専用フードを購入して与えた方が理想的です。

例えば「SpringTails」のトビムシ専用フードは、複数種類のトビムシがよく増殖してくれますし、栄養も比較的高くガットロード効果もあります。
ダスティングもほぼ不要になりますので、エサ選びに時間をかけたくない方には特にオススメです。
エサの与え方

エサはカビない程度の量を毎日~数日に1回与えるのが基本です。
カビは数日で生えてきますので、数日以内に食べきる量がベスト。もしエサがカビてしまった場合は1回の量が多すぎなので、次回から量を減らして下さい。
カビない範囲内であれば、エサは多い方が増殖スピードが早いです。
なお2週間エサ抜きしても餓死しませんので、エサやりはそれほどシビアではありません。(気を払うのは与えすぎの方ですね)
トビムシの与え方

「炊飯用の竹炭」など平たい板状のものを設置しておき、その裏側に集まったものをトントンと落として給餌するのが楽でオススメです。
ハスクチップなどの大きめの用土で培養している場合は、ふるいを使用するのもメジャーな分離方法です。

必要に応じてダスティング

トビムシに与えているエサや飼育環境によっては、コオロギ同様ダスティングが必須です。
例えばハスクチップ用土にドライイーストのみをエサとして与えている場合、カルシウム含有量がほとんどないため、カエルに長期的に与えるとくる病などの病気が発生してしまいます。
ダスティングですが、トビムシは非常に小さいのでデンドロケアなどの超細粒タイプのカルシウムパウダーが良いです。

デンドロケア 50g カエル向けカルシウム・ビタミンパウダー
逆に「SpringTailsのトビムシフード」などエサ自体にカルシウムがしっかり含まれ、ガットローディング効果があるものであれば、ダスティングはさほど必要ありません。
(必須なカルシウム強化は不要ですが、必須ではないビタミン強化などは可能)
そのほかカルシウム類を多く含有したカルシウムクレイで飼育している場合もダスティングの必要性は下がりますね。
気をつけるべきポイント
ダニが混入・増加するとトビムシは減る

トビムシの管理で最も注意することはダニの混入と増殖です。
トビムシのケージにコナダニなどのダニ類が混入してしまうと、エサが同じなのでダニも増えます。しかしダニがケージ内で多くなると、トビムシの卵を食べるのか段々とトビムシの数が減ってしまうので注意が必要です。
よってダニがなるだけ混入しないようにしっかりフタをしたり、保管場所には気を払う必要があります。床に直置きするのも好ましくないでしょう。
一度ダニが多く増殖してしまったケージはリセットしてしまうか、ケージをダニのいない場所に隔離して数カ月間エサ抜きをし、ダニを餓死させて下さい。
(ただし飼育用土によっては用土そのものがエサになるのでリセットを余儀なくされます)
サイズの割に増えるサイクルが遅い
もう1つ培養で注意しないといけないポイントとして、思ったより増殖スピードが遅めなことです。
産まれたばかりのトビムシが親になり、卵を産み始めるのには1ヶ月ほども必要です。つまり増やそうと頑張っても飼育していても2ヶ月は様子を見ないとさほど増えません。
その間親をエサとして使ってしまうと結果的に全然増えないことになるので注意しましょう。
トビムシを自家培養にて安定的に使用したい場合は、数ヶ月前から仕込んでいきその間エサとして使用するのは控えるのがポイント。増えてくればケージを分割して、増やすケージとエサとして使うケージを分けるのが理想的です。

エサ用トビムシの入手方法は?
エサ用トビムシはヤドクガエルに強いエキゾチックペットショップで入手するのが一般的です。
公園や森林の落ち葉や土をひっくり返して自然採集するという方法もあるのですが、採れるのは茶色〜黒系のトビムシが中心です。

またサイズも小さいものが多いことから、カエルのエサとして使用するには適さないものがほとんどです。
よってエサとして適したトビムシを探し当てるには相当時間がかかります。
当商会のトビムシについて
当商会で扱っているトビムシは、白系かつアヤトビムシ科で大きいものを累代培養しております。ヤドクガエルのブリードで実際に使っているものになります。


親サイズで2mmほどであり、このサイズは上陸直後のRanitomeya・Epipedobates・Dendrobates属のヤドクガエル、そしてヒキガエルなどの極小の子ガエルには適切なサイズです。そして大きいアイゾメヤドクガエルのケアにも使え、かなり万能に使えます。
アヤトビムシは動きが俊敏であることから、カエルの捕食本能を刺激しやすく、嗜好性が高いのもメリット。本トビムシは27度前後の高温環境でも培養できておりますので、自家培養しやすいのも特徴です。
これまで多数のトビムシを使ってきましたが、今はこれをメインで培養して使っております。
(それぐらいこのトビムシは使い勝手が良いです)


このトビムシでRanitomeya属はアダルトまでの数カ月間を育成しております。
Epipedobates・Dendrobates属はキイロショウジョウバエを省略して、トリニドショウジョウバエを食べるまでこのトビムシで育成しておりますが、しっかり育成可能です。(アイゾメヤドクガエルは数ヶ月間ほぼ単食です)
エサとしての実績は確認済み。ご興味のある方はこちらからどうぞ。

用土をお入れしてお送りするんで潜って見えなくなってしまうんですが参考までに。
(500匹は数えたんですが重なり考えると、恐らく1000~2000匹いそう)

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この記事へのコメント
アイゾメヤドクガエルの成体くらいのサイズだとトビムシを主食にするのは厳しいですか?
>>1
試したことはないので確かなことはいえないものの、
主食にできる可能性は十分あるかと思います。
アイゾメヤドクガエルは、ヤング入るまではトビムシで普通に育てられることは確認済み。
成体につきましても、よそからやってきた個体はケアのため半月ほどトビムシを与えることがあります。
よって維持目的であれば可能性は高いでしょう。
ただ繁殖まで想定するのであれば、ピンヘッドコオロギ・デカイ方のハエも絡めたほうが太りが良いかと思います。