ヒュドラケース3133レビュー|欠点・グラステラリウムPROと比較

ヒュドラケース3133レビュー|欠点・グラステラリウムPROと比較

多機能ガラスケージである「ヒュドラケース」。

定番のグラステラリウムPROとは性格が異なり、適した使い分けが求められる製品です。

この記事では、実際の使用感や欠点、グラステラリウムPROとの違いをもとに、どんな人に向いているかを解説します。

※当商会ではケージ類の販売は取り扱っていません。純粋な愛好家として、実際に購入・触った上でのレビュー記事です。

目次

結論:ヒュドラケースは安価で水張り性能が抜群だが、ロックは微妙

ヒュドラケース3133、正面から

「ヒュドラケース 3133」は多機能ガラスケージとして非常に安価で、定番の「グラステラリウムPRO」より一回り安い価格で購入できる点が大きな魅力です。

水張り性能に関しては30cmモデルだと、「グラステラリウムPRO:6.5cm」に対し「ヒュドラケース:8.5cm」と1.3倍の水深が確保されています。更に邪魔な足部パーツが取り外し可能なことで、水張りおよび水中の鑑賞性能は最も優れたガラスケージです。

ただしフロントのスライドガラスのロック機能はやや使いづらく、直感的に扱いにくい点は気になるポイント。スライド式ガラス自体は他社ケージには少ない独自の強みであるため、この点は惜しいところと感じました。

「水張り・コスト重視」や「スライド開閉で選ぶ」のであればヒュドラケースは非常に良いチョイスです。鑑賞性能や操作性も重視するのであれば、まずヒュドラケースを軸に検討しつつ、他社製品と比較するのが良いでしょう。

代表的な定番ケージは以下になりますので、本レビュー内容の後にチェックしてみて下さい。

製品の概要

「ヒュドラケース」は、コトブキ工芸が販売する爬虫類・両生類向けのガラスケージのブランドです。

コトブキ工芸といえばガラス水槽で定番のメーカーで、特に「レグラス(LEGLASS)」はロングセラー!。水槽作成技術が高い安心メーカーとなっております。

ヒュドラケース3133のパッケージ
ヒュドラケース 3133

さてヒュドラケースにはいくつかモデルがありますが、今回は多機能ガラスケージモデルに位置する「ヒュドラケース 3133」を実レビューしていきます。

前面スライドガラスによる高いメンテナンス性に加え、上蓋メッシュ構造、コード穴、水張り対応など、複数の機能があります。定番の「グラステラリウム」などと同ジャンルですね。

ヒュドラケース3133のパッケージでの説明
箱パッケージの説明

なお同シリーズには「3133S」とS付きモデルがあり、S付きはフロントガラスが開閉しない廉価モデルとなっています。公式サイトを確認する限り、フロントガラスの有無以外は仕様が同じっぽいので、本レビューでもある程度参考になるはず。

「ヒュドラケース」のスライド式ガラスケージのラインナップとしては、30cmキューブ規格の「3133」と、同横奥サイズながら高さを伸ばした「3144」がリリースされています。

ラインナップ
3133 3144
寸法 W310×D304×H330mm W310×D304×H440mm

※本レビューは2019/05で購入時のものです。予告なく仕様が変わることがありますので、その点ご留意下さいませ。

開封・本体の様子

ヒュドラケース、フロント

開封するとこんな感じです。

ヒュドラケース、斜め上から
ヒュドラケース3133、横から
バックスクリーンだけ貼り直してます。

中々しっかりしていますね。

上フタ

ヒュドラケース3133、上フタ

上フタは堅牢な金属メッシュで、支え棒がなくスッキリ。

ヒュドラケース3133の上フタメッシュと人差し指による大きさ比較

網目のサイズはこんな感じ。

ヒュドラケース3133の上フタにいるトリニドショウジョウバエ

トリニドショウジョウバエを置いてみましたが、しばらくすると網目を抜けちゃいました。トリニドショウジョウバエは脱走する程度の網目サイズです。

実際の開閉については、後ほど「使用感」の章で述べさせていただきますね。

コード穴

ヒュドラケース3133、コード穴

本体奥の左右のコード穴が2穴開いています。(合計4つ)

ヒュドラケース3133、コード穴はスライドで閉じれる

使わない時はスライドで閉じれる仕様です。

実際のランプを入れてみるとこんな感じになります。

ヒュドラケース3133、コード穴を使ってコードを通している様子

3Dの平面スクリーン

岩場がプリントされたバックスクリーンが付属してるのですが、取り外した際「あれ?プリントの割に厚みがあるな・・?」ってよく見たら・・・、

ヒュドラケース3133、3Dの平面バックスクリーン

写真では伝わらないんですが、見る方向でイラストが変わって立体的に見えるやつです。

これは初めてですね!少し感動しました!

ランプステー

ヒュドラケース3133、ランプステー
ヒュドラケース3133、ランプステーに取り付けられた保温ランプ

ランプステーが1個付属し、本体内部に紫外線や保温球を設置できます。

設置位置は決まっておりますが、左右両方に設置箇所が用意されているので左と右の付け替えは可能です。

外せる底面パネル

足部がちょっとグラつくな・・・?と思ったら、

ヒュドラケース3133、台座を外した様子

これ足部スタンドが取り外せれるんですね。ビックリ。

これが出来るガラスケージは私の知る限り初めてですが、これは結構良いです!。下側のガラスが圧倒的に見やすくなります!

水張りできる深さ

ヒュドラケース3133の水張りできる高さ8.5cm

実測したところ8.5cmがギリギリといったところ。なので実使用は8cmちょいぐらいかと思います。

同クラスのグラステラリウム3030PROの内寸は6.5cmでしたので、水張りできるケージとしては深い部類ですね。

コトブキ ヒュドラケース3133に設置したスペースパワーフィットPRO(L2)

設置しているのは、コトブキのスペースパワーフィットPRO [L2]ですが、水深が深いことでこのような多少大きな水中フィルターでも設置できるのは強み

足部パーツが取り外せることもそうですが、水張り部はかなり好印象です。

2台スタック可能

本ケージはなんと積み重ね可能なスタッキング構造という仕様です。

ヒュドラケース3133、スタック可能とパッケージに表記

流石に2台は購入していないので使用感は分かりませんが、パッケージはこのように表記されています。

取説には「最大2台まで」と表記がありますが、これが合計2台なのか上に2台置けるのかは読み取れませんでした。砂とかいれると流石に重いので恐らく合計2台の方だとは思います。

シリコン塗りは丁寧

ヒュドラケース3133、シリコン塗り具合
長期保管でホコリ・ゴミがあって申し訳ない

シリコン塗りは全体的に丁寧。

グラステラリウムPROと比べてもムラが少なく、一段階上の仕上がりだと感じます。流石水槽メーカー。

使用感・レビュー

こっからは実際に触る部分をレビューしていきます。

上フタは開閉しやすい

フタの前面にはスライドロックが付いており、ここをスライドさせてロック解除すれば上フタが開けるようになります。

ヒュドラケース3133の上フタのロック
開放するヒュドラケース3133の上フタ

このようにフルオープンします。少しではありますが、90度を超えて開けます。

回転軸は後ろ側固定ではありますが、これは非常に使いやすいですね!

ヒュドラケース3133、上フタは取り外し可能

フタは90度(直角)状態で上に引っ張ると、全部外すことも可能です。テラリウム作成時や大掃除の際はかなり便利となるでしょう。

また上部フタの手前には取っ手もついており、開けやすくなっている設計も良かったです。

ヒュドラケース3133、上フタの持ち手部分
扉前部にある取っ手

フルオープン可能なこともそうですが、ロックも直感的に分かりやすくて使いやすく、全体的に上フタはかなり使い勝手が良いですね

前面ガラスの開閉

ヒュドラケース3133、フロントガラスの片側あけて手を入れた様子

前面は2枚ガラスをスライドさせて開閉する方式です。

スライド式は部分的な開閉が可能なものの、全部開放しても半分止まりなので一長一短ですね。

30cmという大きさなので個人的には1枚ガラス式の方が良い気はしますが、一部の生体(クモや壁チョロ系のヤモリ)などはすぐ逃げるので、そういった飼育者ならスライド式は使い勝手が良いと評判だったりします。なのでこれに関しては飼育者で評価が分かれるでしょう。

ロック方法

ヒュドラケース3133、フロントガラスのロック箇所

フロントガラスは前面ツマミによりロック固定が可能です。

ヒュドラケース3133、フロント扉のロック前

ここのツマミを回すと

ヒュドラケース3133、フロント扉のロック後に飛び出してくるパーツ

パーツが飛び出してきて、これによりせき止めてロックします。

仕組みは簡単なのですが使った感じとしては使いづらいな、という印象

まずツマミは2個あるんですが、奥と手前ガラスがそれぞれで対応しています。そしてスライドガラスは左右どっちにも行くんで使っていると「どっちがどっちのロックが分からない」といったのが一番のストレスでした。

何度かクルクル回したりガラスをスライドさせて正位置に戻すのは無駄に手間。使い慣れれば多少は改善されるかもしれませんが、ちょっと使いづらい印象です。

次にカチッとロックされるとかはなく、単にパーツが出てせき止めるだけなのも微妙なポイント。そのため簡単にせき止めが戻らないようにツマミ自体がやや固めになっていて回しにくいのもネックでした。

またロックしていても少し強めにガラスを横にスライドしようとすると、せき止めパーツが力に負けてロックが解除されます(ダイヤルが戻ります)。力の強い亀だと何かの拍子で開けてしまう可能性があり、ちょっと不安が残りますね。

総じてロック方式についてはイマイチでした。

その他

ヒュドラケース3133、ガラス扉の取り外した様子

スライド式のガラスなので上側に持ち上げれば、そのまま抜くことが可能です。

掃除の際は簡単ですね。

ヒュドラケース3133、ガラス扉の取り外しその1

こんな感じで出し入れできます。

蓋による光の減衰率

最後にフタによる光量減衰をチェックしてみます。

GEXのクリアLEDパワーⅢ300と照度計を使いまして・・・・。

ヒュドラケース3133、フタ無し時の光量測定(1818Lx)

フタ無し時だと1818lxのところ・・・・

ヒュドラケース3133、フタあり時の光量測定(1081Lux)

フタ有り時だと1081lxに減少。

約59%の透過率でした。

外縁は狭いんですが、堅牢に作られた黒メッシュが災いして結構下がりますね。

デメリット・ここがイマイチ

フロントの黒縁の圧迫感

ヒュドラケース3133、底パネルを取り外した時の外観

やはりフロント部の黒いパーツ部分が一番気になったポイントでした。太くて鑑賞性を下げます。

スライド式ガラス開閉は店舗オリジナルケージなどでも採用される簡素な方式なのですが、そこはメーカーなのか堅牢に作りすぎた印象を持ちます。

ヒュドラケース3133とレプタイルガーデン3032との比較
右:レプタイルガーデン3032

上記は競合他社の「レプタイルガーデン(カミハタ)」と並べたものですが、水張り部分は勝っているものの、上ガラスの鑑賞性能については明確に見劣りします。

ガラスケージにしたいのは「綺麗に鑑賞したいがため」なので、ここは一番惜しいポイントでした。

スライド扉とロックの使い勝手

「使用感」の章で述べましたが、スライド扉およびロック方式は使い勝手がやや悪いです。

スライド式は飼育生体で向き不向きがありますので飼育者で評価が分かれるものの、それを差し置いてもロックの使い勝手はちょっとイマイチ。左右のツマミがどっちのガラスに対応しているのか分かりづらく、ツマミを何度も探ったりするのは無駄なストレスでした。
(慣れれば多少は改善されるとは思いますが・・・)

ベンチレーションは他ケージと比べると劣る

グラステラリウムではフロントの通気口が空いていることにより、空気の通り道ができ換気性能が高いというメリットがあります。

エキゾテラ、グラステラリウムの通気イメージ
グラステラリウムのベンチレーションイメージ

対してヒュドラケースでは、フロント下部に通気口は無い仕様です。

というか開閉する2枚のスライドガラス同士は結構な隙間がありますため、そこが換気口にはなります。

ヒュドラケース3133、スライドガラス同士の隙間

ただし上端から下端まで全部空いていますため、他ケージと比べて中央を横切るようなしっかりした空気の通り道は出来ません

生体・使い方にはよるものの、個人的にはフロント下部に通気口があるケージと比べると劣る印象です。(これは1つの例えですが、風呂場のドア・窓を開けっ放しで換気扇を回すような勿体なさ)

Check

空気の流れが悪いとカビや蒸れの原因になります。特にツリーフロッグなど乾燥気味の方が良い生体では、換気性能が良いケージが好まれます。

なおフロント下部の裏側には三日月状のくり抜き穴多数があるんですが、

ヒュドラケース3133、扉受け内側の謎のくり抜き穴

これがフロント部分と繋がっているなどはなく、単にくり抜かれているだけでベンチレーション穴ではありませんでした。

グラステラリウムPROとの比較

グラステラリウム PRO 3030パッケージ

競合製品はやはりGEXの「グラステラリウム(PRO)」でしょう。定番製品。

旧・無印版グラステラリウムの30cmモデルは廃盤になりますので、比較対象はPROモデルのみとしました。

外観の違い

ヒュドラケース3133とグラステラリウムPRO3030の比較
左:ヒュドラケース 3133
右:グラステラリウムPRO 3030

鑑賞性については好みは分かれますが、水張り部分はやはり勝っていますね。

更に台座スタンドを取り外しできるので水中の鑑賞性能は圧倒的にヒュドラケースが良いでしょう。

ガラス開閉・ロック方式

グラステラリウムPROの扉の開封その2

グラステラリウムPROでは扉を押し込むだけでロック/ロック解除が出来る「プッシュ式」となっております。そして1枚扉で鑑賞もスッキリです。

ヒュドラケースでは使いにくさを感じましたので、スライド開閉を重視しなければグラステラリウムPROの方が使いやすいと思います。

上部フタ・開閉

グラステラリウムPRO3030を上から

グラステラリウムPROでは、ステンレスの細かいメッシュ式。

そして特に違うのが開閉方式です。

グラステラリウムPROではヒュドラケースのように回転させての「スイングオープン」が出来ず、ただ取り外すのみ。上フタからメンテナンスを行うユーザーにとってはヒュドラケースの方が都合が良いでしょう。

開放するヒュドラケース3133の上フタ
これはヒュドラケースの強み

ベンチレーション

グラステラリウムPRO、調整可能なフロントの通気口

グラステラリウムには前面下部に通気口があり、空気の流れが「前面下部」→「ケージ上部」と確保されています。

ヒュドラケースはスライドガラスの扉から抜けるだけなので、通気性・換気性を重視したい生体にとってはグラステラリウムPROが優秀です。

比較表

他にも多数違いはありますが、長くなってしまうので主要な違いだけ一覧で示します。

ヒュドラケース3133 vs グラステラリウムPRO 比較表
項目 ヒュドラケース グラステラリウムPRO
価格 安い
(20%ほど安い傾向)
標準的
ガラス扉の開閉 2枚ガラスでスライド式 1枚ガラスで開閉
通気性能 通気口は無し
(スライドガラスの隙間はあり)
調整可能な通気口
上部フタ開閉 スイング開閉可能。
取り外しも可能。
取り外し式
蓋の光透過率 約59% 約70%
最大水張り深さ 8.5cm 6.5cm
(-2.5cm)
重ね置き 合計2台重ね置き可能
台座の取り外し 可能
ミスティング用レール 有り。
モンスーンソロがっちり設置

特筆点として、ヒュドラケースはかなり安い部類の多機能ガラスケージである点です。

特に私はカミハタの「レプタイルガーデン」をメインに使用しますが、それと比べると60%ほどの値段でヒュドラケージが買えるんですよね。もう少しで2個買えそうなぐらい安いケージなのです。

さてグラステラリウムPROの方が多機能な印象を持ちますが、「上蓋がスイングオープン」「足パーツが取り外し可能」といったグラテラには無い機能もありますので、その点も考慮に入れて検討すると良いでしょう。

グラステラリウムPROの詳しい情報は、本記事同様にレビュー記事がありますので以下からご覧ください。

総評

ヒュドラケース3133レビュー|欠点・グラステラリウムPROと比較

とにかく水中の鑑賞性能は抜群に良いケージだと感じました。

水張りできる深さは競合製品と比べて深め(グラテラPROの1.3倍ほど)であり、底面パネルの取り外しにも対応しているため、イモリなど水中から観察するような生体には非常に相性が良いでしょう。

上フタの設計も優秀で、縁が太くなりすぎず、それでいてスイングオープンが可能な構造になっています。実際に使ってみてもストレスが非常に少なく、競合他社製品と比べてかなり完成度の高さを感じるポイントでした。

それでいて「ヒュドラケース」は価格が比較的安価に抑えられており、定番のグラステラリウムPROより一回り安く購入できるのは見逃せません

またスライド式のフロントガラスはメーカー製ケージとしては珍しく、30cm規格ではほぼ唯一の仕様です。この点を重視する飼育者には、非常に大きなポイントになるでしょう。

ここがイマイチ

そのほか「スタッキング(2台まで重ね置き可能)」など、強みも多く備えているのは事実なものの2点は明確に使いにくさを感じました。

まずスライド扉のフロントフレームが太く、上部ガラスの鑑賞面積が圧迫されている点です。水中部分が非常に鑑賞しやすいだけにこの点は惜しいところ。

もう1つはロック機構の使い勝手がやや扱いづらい点です。慣れるとある程度改善されるとは思いますが、他ケージと比べると使いにくさが目立ちます。

総評として「水張り」「コスト」「スライド開閉」といったポイントを強く重視する方には「ヒュドラケース 3133」は買いのケージ。

上側ガラスの鑑賞性も重視する方は「レプタイルガーデン」、ロック機能の使い勝手・定番性を重視する方は「グラステラリウムPRO」も含めて比較検討すると良いでしょう。そちらのレビュー記事もありますので、是非ご参考下さいませ。



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