ヤドクガエル・パルダリウムケージ「PCP3045」レビュー

ヤドクガエルなどのパルダリウム用ケージで人気の「PCP」ケージのレビュー。

特に定番サイズの「PCP3045」の製品情報と実際の使用感を紹介していきます。

目次

製品の概要

PCPケージを使っている様子と新品を並べた様子

「PCP」は関西のアクアリウムショップである「アクアテイラーズ」がリリースするパルダリウム用のガラスケージです。(Paludarium Cage Pro)

他のガラスケージと比べた特徴として、

  • 汚水排水用の前面ドレン
  • 底面斜め加工による排水性UP
  • 上部ガラスにミスト用の穴
  • 上部と前面下部にアルミメッシュ換気口

など、既製品ケージで改造されがちな箇所があらかじめ加工されているのが区別ポイントです。

特にヤドクガエルを飼育するケージとしてかなり人気のある製品ですので、本記事ではヤドクガエル飼育をターゲットとしてレビューしていきます。

開封・本体の様子

今回レビューするのは最も人気の高い「PCP3045」(横30×縦45×奥30cm)になります。※他にも60cm幅のPCP6045がリリースされています。

PCP3045の梱包パッケージ
ヤドクガエル・パルダリウムケージ「PCP3045」、開封

本体の他、「取説」「前扉のスライドガラス2枚」「前扉用の取手ボタンシール」が入っています。

組み立てはスライドガラスを下から差し込んで、取手用のボタンシールを貼るだけなので簡単です。

PCP3045のスライドガラスをセットしている様子

それでは各種備えている機能を見ていきますね。

ケージの開け方

ケージは前扉2枚のガラスをスライドさせる方式になっています。

新品のPCP3045

ドアは2連のスライドレール式になっていますがこれはサイドにも付いていますので、横ガラスとスライドガラスが接触して扉側のガラスが欠けてしまうことがありません。好印象です。

換気口

上部ガラスの後部と前扉下にはアルミのメッシュボードになっており、空気が循環する作りになっています。

PCP3045、上から
PCP3045、前部のメッシュ

照明などで温められた空気は上部メッシュから出ていくワケですが(比重が軽いので)、その逃げた分の空気が下から補充されるという循環システム。

PCP3045の換気システム

通気性というのはカエルにとってはもちろん植物のガス交換や根腐れ防止にも重要なため、この機能はかなり有用です。

またこの手の換気口を備えたケージはハエが逃げがちなのですが、アルミメッシュの口径はおよそ1mmで小さいキイロショウジョウバエが逃げないサイズになっています。ヤドクガエルをターゲットにした製品ならではのメリットですね。

なお前扉がスライド式かつメッシュパネルのケージは、扉下側のガラスが経年劣化ですっぽ抜けて壊れることもありますが、PCPは上記のようにしっかり補強が入っており非常に安心です。

排水システム

本体前下部には排水用の穴があいており、ここにパイプやホースなどを接続すればそのまま排水ができます。

口径は外形18mmで、ホムセンなどに売っている塩ビパイプのVP13と同じ規格サイズ。

PCP3045、L字パイプを取り付けた様子

上記のように「VP13」に接続できる塩ビ管をそのまま装着したり、アクア用の「内径16mmのホース」が接続可能です。

上写真ではL字のエルボをそのまま接続していますが、ガッチリ奥まではめ込むと短くてちょっと干渉します。なのでアクア用のホースをつなげてアクア用ホースのLコネクタを接続したり、配管部品なら斜めエルボ(TS45°エルボ)などで工夫すると良いでしょう。

PCP3045、排水の例
使用の例
(コックが12/16のものしか無かったので、色々つなげてるが本来はもっとシンプル)

また本体底部は斜面で排水されやすい工夫がされており、非常に好印象です。

PCP3045、底部の斜め加工

ミスティング穴

PCP3045、ミスティング用の穴

本体上部にはミスティングシステム用の穴があらかじめ開けられています。

口径サイズはエアーチューブ用の6mmではなく約12mmなので、ちょっと注意が必要。特にフォレスタは16-18mmのバルクヘッドもあるので、12mmに対応したバルクヘッドが必要です。

なお黒いフタがついているので使わない場合はフタ可能。

使用感レビュー

さてここからは実際の使用感をレビューしていきます。

3台並べられたパルダリウムケージ

このように複数設置していずれもミスティング・排水配管で管理しています。

配管はブロワーにつなぐような長めのL字ゴムホースを使っており、あとの配管は全てホームセンターの塩ビ管パーツで排水システムを組んでいます。参考までに。

さてカエルケージが増えてくるとグラステラリウムなどの既製品を穴あけ加工したりし出すのですが、PCP3045は紹介した通りミスト・排水用の加工がされていますので、特に文句無しに便利に使えます。

一部シリコンが多かったりと加工ムラを感じなくはないのですが、ショップオリジナルケージでこのクオリティは比較的満足度が高いと思います。

強いて言えば、メッシュ穴がキイロショウジョウバエが逃げないほど小さいことから詰まりやすいので、ここは注意が必要。

PCP3045ケージ、フロントのメッシュ部の詰まり
これがウンチ等で詰まる。

カエルは通気性の良いところにウンチしがちですが、ヤドクガエルにおいてもフロントメッシュ部にブリブリウンチします。なのでフロントメッシュ部はたまに清掃しないと通気性が失われるため、ここはメンテナンスのポイントです。

またグラステラリウムに慣れたユーザーからするとスライド式扉は使い勝手が落ちますが、一部だけ開けることが可能なのでエサやりの際、小さなヤドクガエルが脱走しにくいというメリットがあったりします。

扉への隙間テープ等の貼り付けは必須

ヤドクガエルに使用する場合は、2枚のスライド扉の間にハエが逃げる隙間が出来ますから、ここは何らかで防ぐ必要があります。私は以下のような隙間テープを使用。

私は3mmのを取り付けていますが、少し干渉してドアに抵抗がかかります。柔らかいモヘアタイプであれば4~5mmぐらいでもOKなので探してみて下さい。(理想は2.5mmが干渉せずにピッタリですけど売ってないので・・・)

そもそもこのケージ使うユーザーはヤドクガエル飼育者がほとんどだと思うので、粘着テープ付きの2mmの四角プラ棒でもつけて欲しいところですね。

総評

ヤドクガエル・パルダリウムケージ「PCP3045」、開封

ヤドクガエルに欲しい機能を全部備えていますので、最終的にいきつくケージの1つが「PCPケージ」かと思います。

ケージが増えてくると換気口があるケージで「ミスト穴加工」「排水加工」が必須になってくるのですが、この製品は最初からキレイに加工されていますので、非常に理想的なケージと言えるでしょう。底面斜め加工による排水もかなり良いです。(^ワ^)b

ケージが1個だけであればGEXの「グラステラリウム」でも良いかと思いますが、ヤドクガエルのパルダケージが複数になるような愛好家にはこの「PCP」ケージがマッチするでしょう。

個人的見解になりますがパルダリウムでヤドクガエルを飼うためのケージとしては、現状一番定番のケージではないかと思います。

アクアテイラーズのオリジナルケージではあるものの、ヤドクガエルを取り扱う他店でも取扱いがあり、特に通販大手のチャームさんでも取り扱われている※ので人気の高さが伺えますね・・・!(2024/08現在)

シェアしてね!

おたま商会通販サイト

この記事へのコメント

  • 投稿いただいたコメントは本サイト及び関連メディア等で編集されて掲載される場合があります。
  • コメントは承認制です。
    管理者が承認するまではコメントは掲載されません。記事と直接関係ない内容や他ジャンルをけなすもの等、管理者が不適切と判断したコメントは不掲載となる場合がございます。
  • このサイトはGoogle reCAPTCHAによって保護されており、Googleのプライバシーポリシーと利用規約が適用されます。
    This site is protected by reCAPTCHA and the Google Privacy Policy and Terms of Service apply.

以上あらかじめご了承の上、投稿下さいませ。